筒井康隆『銀齢の果て』

銀齢の果て

銀齢の果て

を読了。「皆さんにはこれから、殺しあいをしてもらいます」というセリフですぐわかるように、高見広春バトル・ロワイアル』のパロディ。ただし、殺しあうのは70歳以上の老人で、名目は「破綻寸前の国民年金制度を維持し、同時に、少子化を相対的解消に至らしめるため」。老人を「間引き」するという発想は昔話の姥捨山などにもあるし別に斬新ではないが、それを当の老人にやらせるところがさすが筒井。「老人同士の殺しあいをげらげら笑いながら読む自分」に嫌悪感を抱かない自信がある人は読んだらいいと思う。