旧居の解約手続きに立ち会ってくれる不動産屋さんを待ちながら、『シュルツ全小説』

シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)

シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)

最初の短編「八月」を読んでいる。「他に何もない部屋で寝転んで読む小説」としてあまりに相応しいので少しこそばゆくなってきた。「他に何もないけどこれだけある」的な状況に激しく惹かれる人間は私だけではないよね、とそんなことを考えていたら思い出したのが、さそうあきら「流れ星」。コミックバンチの企画もの連載で読んだ。「この世にひとつしか歌がない状況を描きたかった」的な作者コメントをコミックバンチのホームページで読んだ気がする。

そこにスピッツの「流れ星」(作中では男が歌ってるから。辺見えみりバージョンでもいいんだけどね)を持ってくるのがマジで憎い。つうか、自分が「流れ星」を好きだというだけだけど。
その短編の中で初めて「流れ星」が聞こえてくるシーンを立ち読みしたとき、久しぶりに鳥肌が立ったのを覚えている。
さそうあきらの絵ってそんなにうまいという感じはしないんだけど、見るものに「感覚の再現」を強制するような力があってそこが凄いと思う。あの企画早く本にならないかな…