24日日曜、夜の話。李朝園の焼肉(ヤーキニーク)。

そもそもの始まりは、18日の夜、G田とメシを食ったとき、彼が「木曜か日曜に焼肉食わね?」という話を切り出したことにある。吉祥寺李朝園は、G田幼少のころ家族で頻繁に通った焼肉屋であるらしい。10月1日を境に激務に突入するらしい彼と、思い出という名の究極のメニューをともに食するのであれば、メンツとしてはi澤とかO本がよいであろう。という、至極勝手な決め付けのもとでメンバーを決めた私は、24日、「日曜日は予約できないのです」という李朝園の店員さんにとりあえず名前と人数、時間を告げるだけ告げ、19時の開始に間に合うように体を清めたり洗濯をしたりしていた。

18時過ぎくらいに風呂からあがると、i澤からの着信が。かけなおしてみると、「非常に申し訳ないのですが、体調がすぐれないのです。気分が悪いのです。吐きそうなのです。皆様によろしく。おやすみなさい」という、ひと昔前の文士のような訴え。やむをえないので、代わりの4人目を探すことにした。肉と米、といえばA部であろうと思って電話をかけると「今高速に乗ってるんだ。超速いぜ」との答え(一部にフィクション)。19時吉祥寺は無理っぽいのでパス。次に思い浮かんだのはR太。しばらく携帯電話を鳴らしてみるも、応答なし、というわけで、まあ寝ているのだろうと結論し、「すまん、なんでもない。」という事態をぼかしたメールでごまかす。ここで思い浮かんだのが、以前焼肉屋でバイトしていたTせーの存在だ。奴ならば家も近いし、いいんじゃないか。と思ったので即電話、好感触を得、これで4人そろう目処が立った。この時点で、私の焼肉は半分終わっていたといってもいい。

なんやかんやで19時少し過ぎに集合した我々は、李朝園に乗り込む。しかし、この時点ですでに半数の人間のコンディションは最悪といってもいい状態であった。G田は前日こともあろうに会社の同期と安い焼肉の食い放題に行った後カラオケオール、朝6時まで飲んでいたらしい。O本は当日午前3時くらいに起きて、私からの「谷口・丸井・イガラシ・近藤のうちどのキャプテンが好き?」的なメールに返信した後一睡もしないで拳法という名の殴り合いに赴き、その後一睡もしないで焼肉にやってきたというのだ。果たして無事焼肉を食うことはできるのか?という不安を抱えたまま焼肉ははじまる。

まずは常連G田の、「特上カルビは特上カルビでうまいけどカルビ先に食ったほうがいいぜ」というアドバイスを踏まえ、タン塩、レバー、カルビ、ギアラを各2人前注文。タン塩2人前が予想以上に多量だったのでG田が「頼みすぎたか?」と発言するが、気にせず焼く。タン塩は通常見るよりやや厚めに切ってあり、歯ごたえがあってうまい。O本はやや寝ぼけているのか、「ここのタン塩はサクサクしとってうまいな。」という同じコメントを2〜3度繰り返していた。レバーも食い放題よりはうまかったが、まあ普通の範囲内だろう。G田一押しのカルビは、適度な脂の乗りと熟成された赤身の肉自体の旨みがあいまって確かに絶品であった(なんの具体性もないコメントだが、食い物をほめる方法をほかに知らない)。しかし、この日私がもっとも感銘を受けたのはギアラである。内臓特有の複雑な味もさることながら、こびりついた脂肪の甘さときたら…まさに幸福のメタボリックシンドロームである。子供の頃は脂身が苦手で、下手したら飲み込めなくてもどしたりしていた私だが、それはうまい脂身を食っていなかったからなのだなと気付かされた。そんなこんなで第一陣は何の苦もなく完食。

第二陣はロース、トリモモ、ギアラ、特上カルビ、ミノを各一人前ずつ。

画像は特上カルビ。確かにうまいが、普通カルビに比べると予想範囲内の味。そろそろめんどくさくなってきたので、この辺でグルメレポートもどきを唐突にやめてしまうことにする。