ジェイソン・ライトマン監督『JUNO/ジュノ』シネ・リーブル池袋にて

例によって月一ノルマの駆け込み鑑賞。何をみようか結構迷っていたので会社の映画好きな後輩に相談したら「ジュノでしょう。まだ観てないけど(なんじゃそりゃ)」とのことだったのでそうした。
話題作というイメージだったのでちょっと早めに劇場に行き、ロビーで開場を待つ。ここでおもしろかったのがジュノの立看板。もとは普通の映画ポスターなんだろうけど、ピンク色のポストイットがいっぱい貼り付けてある。それぞれのポストイットには予告編あるいは本編を見た後に観客が書いたと思われるコメントが。「ジュノかわいい」「はやくみたい」「ジュノかわいいけど俺の彼女のがもっとかわいい」「She is so cute!」などに混じって、まだカタカナの書き分けができてない子供が書いたのであろう「ジョノかわいい」とか、「ジュノサイト」というジェノサイドとかけたのか、もしかけたのだとしたらなぜかけたのかみたいな意味不明なコメントもあってカオスだった。


超要約すると16歳の女子がうっかり妊娠してどうしようってなる映画。そのヒロインの名前がジュノ。このジュノと、その継母ブレンとの関係の描き方がすごくよかった。血がつながっていないことを過剰に意識するのでもなく、かといって無視してしまうのでもなく、ただ家族である感じというのか。それを、「過去にこんなエピソードがあって、わたしたちほんとの家族になりました!」って方法ではなく、作品内の現在時における会話だけで説得的に見せるっていうのは難しいと思うんだけど、見事にそれをやってのけていた。ストーリーのほうも完全なハッピーエンドではないというか、金八第8シリーズ初期のような、「いろいろあるけどみんな生きていくんだね」的な終わり方で余韻があっていい。いまのところ総合的に見て今年ベストかもしれない。