楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

あと「週刊文春」「週刊新潮」、もちろん「新潮」も買いました。と書いていて思い出したんだが、高校2年くらいのとき同学年のちょい悪な連中のあいだで、お店に行ってお金を払わないで品物をもらってくるという行為が大流行した時期があった。そいつらの中には家がかなり金持ちでたくさん小遣いをもらっている奴もいて、完全に遊びとしてやっているのがわかった。そのなかにも、「俺はおばあちゃんが一人でやってるような店とかは狙わねえ。そういうことする奴は人非人」と主張するのがいたり、「いや、そういう店でかっぱらってこそ醍醐味がある」と主張するのがいたりした。みんなちがってみんないい。嘘!全部ダメ、ぜったい。万引きは犯罪です。ちなみに私はやってないっすよ。それは倫理観がどうこうという話ではなく、貧乏人のプライドです。

今週の文春は連載陣がどれもがんばってる。堀井憲一郎の連載は祝祭日数の変遷を振り返りながら日本の戦後を考えるという年に何回かのふけー内容の回だし、先崎学の連載も「将棋指しにとって幸福とは」というテーマを羽生の発言とからめてまじめに語っている。まあ先崎は「一葉の写真」のころから羽生まわりのことを書いた文章が抜群にいいわけだが。一番驚くべきなのは、数ヶ月前までまったく読む価値のなかったクドカンの連載がここ数回妙におもしろいこと。いったい何があったのか。あと、真ん中あたりにあるクレアの宣伝ページを見たんだけど、表紙の広末涼子の服とポーズが興味深すぎる。

そういえば「新潮」(新年号からやたら表紙デザインがスタイリッシュ)は深沢七郎の未発表小説発見というのに惹かれて(とはいえ、深沢七郎は「楢山節考」しか読んでない)買ったのだけどまだ読んでない。康芳夫が『家畜人ヤプー』について語ってるところは読んだ。さすが「電通は俺のマネしてるだけ(大意)」と言った男だけのことはあるハッタリのきいた(ハッタリじゃないのかもしれないが他に適当な褒め言葉を思いつかない)暴露話で、6年振りくらいにヤプーの続きを読んでみようかなと思わされた。