木村神が結婚するらしい。母となった木村神がどんな歌を歌うのかにはすげー興味あるので、正直今後が楽しみだ。
そんな記念で、昨年9月6日に書きかけのままアップしてなかった日記(電車で赤の他人の会話盗み聞きシリーズ)に加筆してここにしるす。

<以下2009年9月6日の日記>

「ライツカメラアクション」

 9/5(土)、仕事を終えて22時過ぎに会社を出、携帯電話の待ち受け画面を見る。当然ながら(土)という青色の文字が浮かび上がってきて、今更ながら週末が半分終わっていることに気づき携帯電話をアスファルトに叩き付けそうになるが、こいつが悪いわけじゃなし、ていうか明日が完全オフなだけマシじゃないかと思って気を取り直す。5日は大安の土曜日で結婚式がめちゃくちゃ多かったらしいという話を聞き(「話をキキ」というギャグ)、ウエディングソングの大名曲という下馬評のButterflyが収録された木村神の大教典(Copyright:聖飢魔II)が発布(Copyright:聖飢魔II)されているのに買ってないことを思い出してタワーレコードへ。到着。真心のベストが発売されているのを発見してそういえば数日前に街なかでEVERYBODY SINGIN’ LOVESONGを耳にしたよなと思い出したり、まさかのSwinging Popsicle新譜が発売されていて藤島美音子ファンとしては買わざるを得ないのではないかと思ったりする。思うだけ。冷静に大教典だけ買って帰途につく。
 帰りの電車のなかでは『シカゴ育ち』再読。「冬のショパン」最終パラグラフにさしかかり、さあ泣くぞと思ったくらいのタイミングでBOYS&GIRLS(5人組)が乗り込んできた。サークル仲間で、1男×1、2女×3、3男×1で2女の3人は予備校時代からの同級生(以上想像)。以下引用:
女A:えーもったいない。今まで付き合ってて我慢できないこととかあったの?
男1:今回っす。
女B:今してる指輪って彼女と?
男1:ペアリングっす。
女C:薬指にしてないのは?
男1:元からっす。
女A:しかし浮気って許せる? 正直に言われたとして。
女C:あたしそのシチュエーション想像できないわ。
女B:私はセフレなら許せるかなあ…。でもメールしてたりとか普通に恋愛っぽいことしてたら許せない。
女C:体の浮気は許せても心の浮気は許せないってやつね。わかるかもー。あたしも自分が彼女なら許せない。
女A:男2さんは浮気とかしなさそうだよね。
男1:男2さんは恋愛ももう要らないんすよね。なんか賢者モードって言ってたもん。
女たち:賢者モードw
男2:なんつうかそろそろ結婚のこと考えなきゃダメじゃん。30までには子供ほしいから結構まじめに考えないと。
女A:でも男の人は30過ぎてからの子供ふつうだって。
女B:私お父さんが37のときの子供だよ。
男2:自分が定年になったときの子供の歳のこととか考えるんだよ。
女A:それって収入的なこと?
男2:それもあるけど体力的なこととか。
女B:そういえばバイト先には20歳でお父さんが42歳の子いるよ。
女A:わっかーい。
女B:42で子供成人してたらまだ遊べるよね。私ぜったい浮気するよ。30年も40年も旦那さん一筋とか無理じゃない?
女A:でも女Cのとこ両親仲いいよね。
女C:仲いい。
女B:女Cのとこはいいけどさー、私この前50くらいの夫婦が路上でベロチューしてんの見ちゃったよ。
女A:50代でベロチューはキモいね。
女C:うちの親はひと前でチューはしないなあ。手はいっつも繋いでるけど。
男2:その50代カップルは夫婦じゃないって。たぶん2号さんだよ。2号さんわかる?
男1:俺お先っす。(電車を降りていく)
女A:がんばれよー。ちゃんとお笑いのテレビ見るんだよー。(ドア閉まる)
男2:適当なアドバイスだなあ。
女A:適当じゃないよ。失恋のときはお笑いのテレビなんだって。
女B:ちょっとわかるー。
女C:2号さんって何? 愛人?
男2:そういうこと。正妻が1号だから2号さん。1号が公認してる場合もある。
女A:公認って!
男B:いやー、あるらしいんだって。そりゃ最初はケンカするけど、男の悪口言ってる間に仲良くなったりしちゃうパターンとかけっこうあるらしいよ。
女A:「あいつ粗チンだよねー」とかで意気投合するんだw
ほか:「『粗チン』言うなw」
女A:えー、でもでもー、浮気されたことってある?
女B:私あるよ。
女C:どういう状況?
女B:なんかー、他に好きな人ができたから別れようって言われた。
女C:それは浮気とちょっと違くない?
女B:違うかー。(引用ここまで)

なにも聞いていないふりをしながらページをめくると、そこにはライツという超短編が載っていて、唐突にスチャダラパーのライツカメラアクションを思い出す。スチャダラは聴けばこれいいね、と思えるのはわかっているのだが、土曜の23時に電車のなかで見知らぬ誰かの恋のから騒ぎを盗み聞きしながら小説を読むような人間には聴く資格がないものなのではないかと思ったりするので音源は一枚も持ってない。でもライツカメラアクションはいい。でもちゃんと思い出せず、脳内ではプリンセスプリンセスのDiamondsが流れていた。この曲の歌詞は安いセンチメンタリズムの宝庫だと思うんだが、サラリーマンには安いセンチメンタリズムこそが必要な瞬間があるんだ、それはこの世界の真実を解く鍵のひとつなのではないかと思った。
 それはそれとして、帰って木村神の音源を聞いて思ったのは、私にとって木村神の教典を聴くというのはもはや宗教なんだということ。他人の会話を盗み聞きしてそれを書き起こしたり、「のりしお厨乙www」(注:「ポテトチップスのフレイバーで何が好き?」みたいな話のとき「のりしお以外考えられない」的なことをいうタイプをある種の軽蔑を込めて「のりしお厨」と呼んでいる。私は基本的にはコンソメ原理主義者だ)とか入力したりしている自分の歪みに気づいても、木村カエラを聴いてあーいい曲、と思えれば、自分がとても正しい大きなものに結びけられているような錯覚に陥る。それが木村カエラは神、という発言の真意だ。
<以上2009年9月6日の日記>

その後、新曲が入ったベスト盤も買ったけど、まだあんまり聴いてない。