yom yom」vol.1より、恩田陸「楽園を追われて」を読む。

柿沢幸弘という男が死に、告別式に集まった高校時代文芸部の同窓生四人。彼らがその後居酒屋でだらだらとしゃべっている、というような話。この短篇の中の、「彼らには泣くことができなかった。涙を流すには、歳月は彼らの死者に対する感情の水位を下げすぎていたからだ。」という二文を読んだとき、恩田陸は私が思ってた以上にすごい作家なのではないか、と思った。