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『あなたの人生の物語』を読了。客観的な完成度の高さでは表題作「あなたの人生の物語」だろうけど、個人的にいちばん面白かったのは「顔の美醜について ―ドキュメンタリー」。次いで「地獄とは神の不在なり」「理解」の順か。
以下雑感。容貌による差別という「社会問題」を解決するため「美醜失認処置」を広めようとする人びと、それに反対する人びと、どっちでもない人びとの主張やら感想やらがコラージュされた形式の作品。「美醜失認処置」とは、「人びとの顔を完全に認識する（これって原語ではrecognizeかなあ。だったら「識別する」くらいに訳しちゃってもいいような気がするけど）ことができる」が、「それらの差異について、なんの審美的反応も経験しない」ようにする処置のこと。ディベート的な部分と、「美醜失認処置」を施されてた女の子がそれを外したらどう感じるか、という話が並行して展開する。映像化できたらおもしろいだろうなあ、と一瞬思うが、これが映像化できるくらいなら実際に「美醜失認処置」が可能になってる世界のはずだからおもしろくないかもしれん。と、思い直す。
戸田恵梨香と新垣結衣が識別できない、という話とは関係あるのかないのか。