同意を得られた例のない話。
谷川俊太郎に「未来」という詩があり、合唱曲にもなっていて人気がある。中学生のときに歌ったことある人も多いんじゃなかろうか。「青空に向かって僕は竹ざおをたてた/それは未来のようだった」という歌い出しなのだが、これをはじめて聴いたとき私の脳内に浮かんだのは、「全裸の少年が野原で仰向けに寝そべり、蒼穹に向かってペニスを屹立させている」というイメージだった。ストレートな比喩だし。ただ、この少年は別に性的なことを考えているわけではなく、自分が生きているという事実そのものに興奮しているのだ、と思ったりもした(これは標準的な読解だと思う)。だからべつにこの詩自体にはいやらしい感じを覚えない。
しかし、問題はこの曲が混声合唱メインで歌われているということだ。女声パートはいったい何を思いながら冒頭のフレーズを歌っているのか?そう考えると、多少いやらしい気持ちになる。なりませんか。なりませんね。そう、それが正解です。