「monkey business」野球号より柴田元幸訳「書写人バートルビーウォール街の物語」を読了。私がかつて読んだ和訳では「ごめんこうむります」とされていた、かの名台詞"I would prefer not to"の処理に注目して読み始めた。そのため「そうしない方が好ましいのですが」というのは直訳すぎないか、と最初思ったのだが、原文のもってまわった感じがよく再現されているし、感情のない感じもバートルビーというキャラクターをより的確に伝えているような気もしてきた。「ごめんこうむります」という訳だとリズムが良すぎるし、作品全体がコメディ的に感じられてしまうのかも。それはそれで好きだったんだけど。