小説2009年4冊目

谷崎潤一郎痴人の愛』を読了。「『痴人の愛』を読んだ」と言えるようになったというぶんだけプラスして2+。
浜田という慶應の学生とのやりとりなどは笑えるし、語り手河合譲治の造型のおかしみなどで370ページ強を読み切らせるのはすごいけど、逆に言うとそれだけな感は拭えず。描写のための描写が多すぎるような。谷崎の偉さをもう少し納得したいという期待を抱いて読んだので残念感が増したかも。『鍵』か『卍』か『刺青』あたりを読んで偉さが実感できればいいのだが。