小説2009年10冊目

津村記久子アレグリアとは仕事はできない』を読了。4+。
アレグリアとは仕事はできない」は、オフィスにある複合機アレグリア」が、コピー機として使用されるときだけやたらトラブルを起こす、という事実に強い怒りを覚えているミノベという女性社員の話。ミノベが勤務する会社に「アレグリア」を売った会社に勤務する営業マン・アダシノ視点で語られるパートもあり、そちらは若干ミステリ仕立て。ラスト2ページは震えた。こっちが4+。
「地下鉄の叙事詩」は、通勤ラッシュ時に起こったある事件を4人の人物の視点から描いた作品。テーマの重さ、読後感などは「冷たい十字路」の路線に近い。p.147からp.148にかけての、ハンマーについて妄想するくだりはかなり好き。こっちは4。後日なにかを追記するかも。