Granta 106: Fiction Special (Granta: The Magazine of New Writing)

Granta 106: Fiction Special (Granta: The Magazine of New Writing)

同じ雑誌のバックナンバーでパワーズの'The Seventh Event'という文章の載ってる号をアマゾンで注文して、そのついでに買ったのだがこちらが先に届いた。思いがけずオースターの文章が載っていてほくほく気分。当然まだ読んでないが。
しかしこれを買ったのは先週の木曜だか金曜だったはずで、そのとき書き忘れたのをなぜきょう思い出したのかというと、書店でこれを見たから。
いずれは死ぬ身

いずれは死ぬ身

正確に言うと、これの目次を眺めてたらD'Jパンケークの'First Day of Winter'を発見したから。この作品、なんかの会で柴田元幸が朗読しているのを聴いて非常によかったのでどうにかして読みたいと思い、「新潮」のバックナンバーを探して読むか原書を買って読むか迷っているうちに時が過ぎ、つい先日(6/12)に原書を入手したばかり。なんか損した気分だ。表紙の賛辞でジョイスキャロルオーツが「その登場をヘミングウェイのデビューになぞらえたいという誘惑に駆られる、尋常でない才能の書き手」みたいなことを言ってたり、マーガレット・アトウッドが「ブリースD'Jパンケークはexceptionalなvoiceだ」と言ってたり(has an exceptional voiceでなくis an exceptional voiceと書いているところにマーガレット・アトウッドの興奮を読むのはオーバーリーディングではないと思う)するのを眺めてモチベーションを高めていたところだっただけになおさら。'First Day of Winter'は細かいところは覚えてないけど、ダブリナーズ時代のジョイスへのオマージュっぽい冒頭とか結構凝った書きぶりながら、わりと切実な家族の問題を扱った泣かせる話だったように記憶してる。きちんと死のにおいのする文章だったなという印象。読んだらなにか書く。最近そんなことばかり書いてる気もするが。河出のアンソロジーもいずれ買おうとは思う。
ところでヴォイスといえば『1Q84』を読んでるあいだ、ふかえりの「疑問符のない疑問文」が頭の中で相対性理論マルエツのヴォイスに変換されて困ったものだったが、街でエヴァ破のポスターを見かけたとき、そうか綾波のヴォイスを想起する人も多いんだろうなと思った。村上春樹エヴァを見たのだろうか。ちなみにどうでもいいことだが「かわいそうなギリヤークじん」というフレーズだけはジャリズム渡辺のヴォイスに変換されてしまい、もっと困った。たぶん「テント」(もしくは「母の家出」)というコントで渡辺が「かわいそうなユミコさん」と言うからだろう。
あとマン・オン・ワイヤーを観たいとか、それにからめたオースターとミルハウザーの話とかも書こうと思ったけどいいかげん寝る。