小松美彦『自己決定権は幻想である』を読む。

自己決定権は幻想である (新書y)

自己決定権は幻想である (新書y)

「自己決定権」に興味があるというよりは、著者に興味があるから買った本。第I章の章題、「私はなぜ自己決定権を認めないのか」の「私は」の部分が示しているように、常に主体が明確であることが小松の文章の魅力であると思う(私にはない、このうえないくらいの潔さだ)。まさに武士(このイメージは、ひょっとしたら違うところ―即ち、小松の出演したテレビ番組を見たとき、小松が落武者のような髪型をしていたという記憶―から生じたものかもしれないが)。